腎臓病が気になる方に原因や初期症状を薬剤師が解説。予防に最適な食生活や習慣とは

腎臓病とは

腎臓病とは

腎臓は、腰の辺りに左右1つずつある臓器で、握りこぶしほどの大きさをしています。
腎臓の主な役割の1つ目が、血液のろ過です。腎臓には糸球体(しきゅうたい)という名前の組織があり、全身を巡ってきた血液が糸球体に流れ込んできます。糸球体はたくさんの毛細血管が絡み合い、その血管の表面は網目状の構造をしています。これがろ過フィルターとなって水分や老廃物を取り除きます。ろ過された液体はその後、尿として排出されます。
2つ目の役割は、必要な物質の再吸収です。糸球体で血液がろ過される際、不要な成分だけではなく、体が必要とする糖分やアミノ酸、電解質も一緒にこし出されてしまいます。これらの体が必要な物質は、尿細管という場所を通過する時に体の中に戻されます。糸球体では1日に約150Lもの血液がろ過されていますが、尿細管で再吸収が行われることで、体外に排出される尿量は1日1L〜1.5Lくらいになっています。
このように腎臓は老廃物を除去するだけでなく、必要なものは体に取り戻すことで、体全体のバランスを保つ役割を持つ臓器なのです。
腎臓病は、腎臓の糸球体や尿細管の働きが低下することで、ろ過して老廃物を尿として体外に排出する働きが悪くなる病気です。
腎臓の機能は一度低下すると、(西洋医学による)治療では回復することがない場合が多く慢性腎不全といわれる病態になります(急性腎不全の場合は機能が回復することもあります)。
また、末期腎不全まで進行してしまうと、人口透析・腎移植という道しかなく、患者さんのQOL(生活の質)は大きく低下してしまいます。

   

むくみや腰痛も?腎臓病の初期症状とチェック方法

腎臓病は自覚症状が出にくいためなかなか気づきにくいのが特徴です。ですので気づかないまま進行してしまい、病院を受診したときには手遅れだったということもあります。そのため健康診断などによる定期的な検査を受ける
ことが重要です。
また、小さな体調の変化にセルフチェックで気づくことも重要となります。
下の各項目に当てはまるかどうかをチェックして、腎臓のトラブルを早期に発見しましょう。
  • ( )尿が泡立っている
  • ( )尿が白く濁っている
  • ( )尿が赤褐色や茶褐色になっている
  • ( )尿が異常ににおう
  • ( )トイレの回数が増えた
  • ( )顔色が悪いと言われる
  • ( )顔やまぶたがむくむ
  • ( )靴や指輪がきつくなった
  • ( )体がだるく、疲れやすい
  • ( )背中や腰、脇腹が痛む
  • ( )糖尿病である
  • ( )血糖値が高い
  • ( )血圧が高い
  • ( )尿酸値が高い
  • ( )肉中心の脂っこい食事が好き
  • ( )味付けの濃いものが好き
  • ( )水分をあまり摂らない
  • ( )野菜や果物をあまり摂らない
  • ( )睡眠不足や過労ぎみである
上記のセルフチェックで当てはまった個数で現在の腎臓トラブル度を推定します。
  • 1~2個 :腎臓のトラブル度は軽度
  • 3~8個 :腎臓のトラブル度は中程度
  • 9~14個:腎臓のトラブル度はかなり深刻
  • 15個以上:腎臓のトラブル度はとても深刻
また、該当個数が多いなと感じた方は、栄養バランスの良い食事や、適度な運動、十分な睡眠を取るようにして生活習慣に気を付けましょう。普段の生活のなかで腎臓トラブルが起こりやすい原因を排除することで、腎臓病を防いだり進行を抑えたりすることができます。
腎臓病は、早めの対策がとても重要です。腎臓のトラブル度が低くても少しでも気になる症状があれば、ぜひ当店(漢方の健康堂薬局)の腎臓病専用のホームページをご覧ください。
慢性腎炎・クレアチニンが気になる方へ | 漢方で透析回避

腎臓病になってしまう主な原因

腎臓の機能(尿を作る、老廃物を排泄する)が低下してしまう可能性のある全ての病気が原因となりえます。
腎臓病になってしまう主な原因
代謝性疾患 糖尿病性腎症
痛風腎 感染性疾患
腎盂腎炎 腎結核
糸球体疾患 糸球体腎炎
紫斑病性腎炎 腎硬化症
腫瘍性疾患(腎細胞がん) 多発性のう胞腎
腎形成不全 動脈硬化
高血圧(腎硬化症) 自己免疫疾患
全身性エリテマトーデス(SLE) 多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
尿路閉塞性疾患 尿路結石

糖尿病の合併症としての腎臓病=糖尿病性腎症

腎臓の役割の1つが血液をろ過する働きです。腎臓には糸球体という組織があり、ここに全身を巡ってきた血液が流れ込んできます。
糖尿病があると、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続き、血管にダメージを与えます。
糖尿病が原因で起こる腎臓病は、「糖尿病性腎症」と呼ばれており、病気の特徴として、アルブミン尿があることが特徴です(ただし近年、アルブミン尿が出ないタイプもあることが分かってきています)。アルブミン尿があるタイプのDKDは、腎臓の糸球体が壊れることで起こります。
糸球体は、血液中の余分な水分や塩分、老廃物などをろ過しています。ろ過されたものは尿細管から尿管を通って尿として排せつされます。糖尿病があると、糸球体の入り口につながる血管が拡張し、出口につながる血管が収縮します。そのため、糸球体内に高い圧力がかかって、糸球体が壊れます。その結果、血液中に含まれるたんぱくの一種であるアルブミンが、
尿中にもれ出るようになります。
糖尿病性腎症の初期の段階では自覚症状はほとんどありません。したがって、尿の検査をしないと判断できませんので検査をすることが重要になります。腎症が進行するともう少したくさんのタンパク質が尿に出てくるようになります(タンパク尿)。ここまで進行すると、次第に血圧も上昇し、高血圧によって血管が傷つけられ、さらに腎臓の状態を悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。
糖尿病の患者さんの約4割の人が糖尿病性腎症を発症しています。したがいまして、糖尿病の患者さんは、糖尿病の状態をコントロールすることが非常に重要です。
食事療法・(西洋医学の)薬物療法を併用しても上手にコントロールできない場合は、漢方薬を併用することもお勧めです。
当店(漢方の健康堂薬局)の糖尿病専用のホームページをご覧ください。
ヘモグロビンA1cを下げる。血糖値を下げる。糖尿病のお悩みに漢方が効く! | 漢方薬の健康堂薬局
漢方薬をしっかり飲む・軽い運動をする・食事療法(病院で教わったものとは別のもの)を実践することの3つをしっかりと実行していただければ血糖値・ヘモグロビンA1cの値は3カ月以内に下がる方が約90%です。人口透析になってしまうと、患者さんのQOL(生活の質)は大きく低下してしまいます。

   

腎臓病を予防するための生活習慣。食生活で注意するべき点とは?

腎臓病を予防するための生活習慣

運動

これまで慢性腎臓病の患者さんは、運動をすると腎臓に負担がかかると考えられてきたため、運動することを制限されていました。しかし現在では、慢性腎臓病への運動の良い効果が明らかになってきています。そのため運動をすることを奨める方向に変わっています。
【有酸素運動とレジスタンス運動】
慢性腎臓病には、ウォーキングなどの有酸素運動とレジスタンス運動(筋力トレーニング)を組み合わせて行うことがすすめられます。ただし、運動は病態が安定している人にのみにすすめられています。医師に相談してから開始してください。
また、運動中に体調が悪化した場合は運動を中止してください。
■簡単にできるレジスタンス運動
<片足立ちの運動>
まず、安定した椅子や手すりにつかまります。そして片方の足を前の方に5センチ程度上げます。この状態で1分間静止し
ます。目は両方とも明けておきます。続いて、もう片方の足を上げて同じく1分静止します。これを1日3回行ってください。
多忙で運動できないという人は、通勤途中でのエスカレーターやエレベーターを階段に切り替えたり、近距離なら乗り物を使わず歩いたり電車を一駅前降りて歩くといったことを習慣づけることで、運動不足を解消できます。

疲れをためない、睡眠をしっかり取る

無理な残業などによる過労を避け、睡眠を十分にとりましょう。また、ストレスも大敵です。過労や睡眠不足になると、交感神経が刺激されて血圧が上昇し、腎臓に大きな負担がかかります。
腎臓病においても睡眠障害のある人は、血液のろ過機能が低下する危険性が高いとの指摘があります。中でも肥満の人に多い睡眠時無呼吸症候群は、慢性腎臓病(CKD)の発症リスクを上昇させることが報告されています。
良質な睡眠を取るコツは、決まった時間の就寝と起床、さらに布団やベッドは寝ること以外に使わないことです。寝る前に寝床でスマートフォンなどを見るのを控えましょう。寝る直前の飲酒も深い眠りを妨げるため控えましょう。

禁煙

喫煙は、がんや心筋梗塞、脳卒中など、多くの病気のリスク因子です。健康によくないのは明らかですし、腎臓にも当然よくありません。たばこに含まれるタバコに含まれるニコチンは毛細血管の動脈硬化を進めることから、毛細血管の塊である糸球体は障害されやすく、腎機能の低下を招きます。
喫煙している方は、慢性腎臓病と診断されたら1日も早く禁煙するようにしましょう。

飲酒

飲酒は適量ならば血管を広げ、血流をよくします。肝障害などを患っている場合を除き、腎臓病だけなら適量のアルコール摂取は腎機能低下のリスク因子にならないといわれています。しかし、過度な飲酒は高血圧を招くほか、がんなどのリスク因子にもなります。
また、飲みすぎで自制心が働かなくなることで、タンパク質や塩分などを多く含むものを食べすぎてしまうこともあります。「適量を適度に」を心がけることが重要です。

感染予防

腎機能が低下している方の場合、風邪などの感染症にかかりやすい傾向になります。また、感染症によって腎機能がさらに低下してしまう可能性もあります。そのため、手洗いやうがい、マスクの着用などでしっかりと感染症の予防をするようにしましょう。インフルエンザの流行シーズン前には予防接種を受けることをおすすめします。

食生活で注意するべき点

たんぱく質はとりすぎないようにしましょう

たんぱく質を多くとりすぎると、腎臓からしか排泄されない尿素窒素やクレアチニン等が多くなり腎臓への大きな負担になります。
たんぱく質は主に魚や肉に含まれます。
肉や魚ほどは多くありませんがたんぱく質は、ご飯、パン、芋類、果物、野菜などにも含まれていますので取る量には注意しましょう。

エネルギーは十分にとりましょう

エネルギーは不足しないようにしましょう。また、エネルギーが不足しますと、身体中のたんぱく質が分解されエネルギー源になり(これを異化作用といいます)、体内の尿素窒素が増えるため、たんぱく質を多く食べたことと同じ状態になり、たんぱく質を制限する意味がなくなります。
たんぱく質を含まない砂糖・でんぷん等や油類を上手に取りましょう。甘い和菓子や洋菓子はエネルギーアップになりますが、たんぱく質も多く含まれていますので気をつけましょう。サラダ油、マヨネーズ、ドレッシング等の油類は少量で高カロリーが取れます。

食塩は控えましょう

腎臓でのナトリウムを排泄する能力が落ちていますので、食塩は控えましょう。特に高血圧の方は食塩の制限が必要となります。 
加工食品(ハム、ソーセージ等)や練り製品(はんぺんやかまぼこ等)はできるだけ控えましょう。
みそ汁等の汁物は半量にするか又は飲まないようにしましょう。レモンや酢等の酸味の利用により減塩でもおいしく食べられる工夫をしましょう。

カリウムの制限をする場合

腎機能が低下して血液中のカリウム量が多くなり過ぎたとき、カリウム制限の指示がでる場合があります。カリウムはあらゆる食品に含まれています。たんぱく質を減らすことによりカリウムも減らすことができます。生果物は通常の半量にするか果物の缶詰にしましょう。特にバナナ、メロン、キウイフルーツはカリウムが多いため注意しましょう。なお、缶詰のシロップは飲まないようにしましょう。
カリウムは水に流出しやすいので野菜・芋類は小さめに切ってから茹でこぼすか水にさらしてから調理しましょう。
茹でた場合に除去できるカリウム量は、その種類や調理するときの形状、水の量、処理時間によっても異なります。ほうれん草などの葉茎菜類で約45%、いんげんなどの未熟豆類で約30%除去できます。小さめに切ったり、茹でた後によく水を切ったり、搾るようにするとで、より多く除去できます。水にさらした場合も、茹でた時と同様に種類や切り方で相違が見られますが、玉ねぎなどの根菜類はカリウムの約40%が除去できます。
海藻類はカリウムが多く含まれていますので、一度に多量にとることは控えましょう。

水分の制限をする場合(お医者さんから「水分を控えること」と言われている場合のみです。逆に水分はたくさん摂るように、と言われている方もいらっしゃいます)

水分は腎臓病の状況によって制限の内容が変わります。尿を濃縮させて排泄する働きが低下した腎臓では、たくさん老廃物を排泄するのにたくさんの尿が必要になりますので、たくさん水分を摂る必要があります。
しかし、尿量が低下して摂った水分が排泄せずにからだにたまってしまう人は水分の制限が必要になります。人間のからだの60%は水分でできているという話はよく聞きますね。体液バランス異常のあるひとは体液量が過剰になるとむくんだり、心臓が水風船が膨らむように大きくなったり、肺に水がたまったりします。心臓に負担をかけることは透析療法を受けることになったあとの生活にも影響します。飲む水分量を計量しましょう。
料理の水分も考慮しますので、水気を切って食べるようにしましょう。極端な水分制限は腎臓を流れる血液量が減少し、働きが落ちるため指示量は摂取しましょう。

腎臓病予防の習慣に取り入れたい習慣としての漢方薬

腎機能低下・腎臓病を放っておくと、人工透析・合併症などで、QOL(生活の質)は大きく低下してしまいます。
一般的な血液透析では週3回通院します。週7日間のうち約半分の日は通院が必要となるため、生活時間の制限が生じます。これまでの生活スタイルや仕事を変更しなければならない場合もあるでしょう。
仕事や家庭と透析治療とを両立するためにスケジュール調整を行うのは簡単なことではありません。
透析患者さんは、毎日の食事も大切な治療の一環のため、塩分や水分、カリウム、リン、たんぱく質、カロリーなどの成分を気にかけて食べる必要があります。これもまた非常に苦痛を伴うことです。
ですので、 腎臓病は、早めの対策がとても重要です。腎臓病の方や腎機能低下のある方は、漢方で早めに治療(予防)をしておきましょう!
ぜひ当店(漢方の健康堂薬局)の腎臓病専用のホームページもご覧ください。
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当商品は全ての方に効果があることを保証するものではありません。病気には、様々な症状・病状があり、効果には個人差があります。

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